A Japanese Rose私は現在、多くの新規プロジェクトを抱えているが、そのほとんどが何かしらの形で日本に関連したものだ。それらを名付けるのが、ご想像以上に難しい。

問題は、関連のある日本語(と関連するドメイン)のほとんどがクールを装いたい欧米の会社に使われてしまっていることだ。名前の中に「sumo(相撲)」、「dojo(道場)」、「sushi(寿司)」、「ninja(忍者)」といった言葉を使用するサイトは多数あるけれども、そのほとんどが日本に拠点を置いていない。

いっそ、日本ならではの名称ということで、「cowboy(カウボーイ)」「hot dog(ホットドック)」「football(フットボール)」などを製品名にしてブランド化したほうが良いかもしれない。

HotFootThumbnail心ならずも私は、裸足になって30フィート(約9m)にわたり燃えている炭を目の前にしていた。私の背後では部族らが太鼓を打ち鳴らし、仲間の参加者たちは励ましの声を繰り返し上げている。炭からの熱気半分、恐怖半分で顔からは汗が滴り落ちていた。こんなところにいる自分は完全にイカれている。

一歩を踏み出し、その後気が付いた時には、向こう側に渡り切っていた。感覚も足自体も無事だった。

参加者の中には深い霊的な体験と感じた人もいれば、人生観が変わったとさえ言う人もいた。私の場合、この体験によって人生観こそ変わらなかったものの、その後私が事あるごとに困難と向き合わねばならなくなった際、喩えにするような象徴的な経験となった。

最も困難なプロジェクトというのが、まさにこの火渡りのようだ。本当に苦しいのは最初の一歩だけで、残りは瞬く間に放っておいてもついて来る。

Good Luck Sign Thumb私がスタートアップへの指導や助言を行っている中で、生徒が思い浮かべる最も一般的なビジネス構想は多対多の市場だ。それが結果的にお勧めサイトになるようなものにしろ、クラウドソーシングを利用したソフトウェア開発にしろ、またはベビーシッターとそれを必要とする親とのマッチングにしても、すべてそのアイデアの構造は同じであり根本的な課題も同じだ。

生徒たちが抱く典型的な会社のイメージは、数千、数十万のアクティブユーザーの登録がすでにあるような成功後の会社だ。当然、自社製品を欲しがる何千もの人々の連絡先情報がすでに入手できることが簡単に想定できれば、こんなにシンプルなビジネスプランはない。

が、当然そうはいかない。

どのような生徒に対しても私からのアドバイスはひとつだ。「明日はどうしていくつもりですか?もし明日誰かがあなたのサイトを訪れてマーケットプレイスに何もないことがわかったら、二度と戻って来てはくれないでしょう。どうやって最初の1000ユーザーを獲得しますか?顧客に提供できるものは何ですか?」

幸いにも、妥当なビジネス構想には必ずと言って良いほど最初のユーザー基盤を作るための戦略が豊富にあり、それがベンチャーの運命を左右する。

第2の大口顧客を獲得することのほうが、最初の100人を獲得するよりずっと容易い。

Everyone Likes SuccessGoogle Japanの欧米人マネージャーは、日本人の部下たちに気力と野心が欠けているようで困る、と不平を言っていた。皆、日本の一流校の卒業生か、一流企業からの転職組だということだ。彼は何度ディスカッションをしたとしても、最後は決まってこうだという:

「君たちは本当に頭が良いと思う。但し、このプロジェクトを完成まで推し進めないと、そしてもっと強気にならないと、出世できないというものだよ。」

 

 「構いません。今のままで幸せですし、好きでこの仕事をやっていますから。」

成功を遂げた会社のために働きたい人と、会社を成功させるために働きたい人とは、全く違うのだ。

A typical Startup Investor以前にも少し触れたことがある内容ですが。

日本社会は紛れもなく、階級社会だ。社会的にもビジネス上でも、真に仲間と呼べるような関係を築けることはめったにない。目上の人のアドバイスや指示には敬意を払うべきだし、信頼できるというものだ。多くのアントレプレナーは成功のためにこの思考パターンをはねつける必要があるけれども、なかなかに難しい。日本社会の中には、それがほとんど目に見えないほどまでに浸透しているからだ。

スタートアップ会社の創業者らはベンチャーキャピタル(VC)との関係上で、この姿勢を取ることで心が痛むことが多いという。VCからお金を引き出すだけに、VCは創業者よりも目上の立場となるため、日本人のアントレプレナーたちは、あまりに時期尚早に、そしてあまりにも頻繁にVCの意見に従ってしまう。

当然、日本のベンチャーキャピタル企業側の人の中には、実世界での経験や業界の知識、その分野の専門的知識を持った人もおり、駆け出しの創始者にとって良き師として助けとなるだろう。しかし、そのような人は非常に少数で、そもそも相当に多忙だ。皮肉なことに、実世界での経験が少ないVCほど、自信に満ち溢れて最も多くのアドバイスをしているように思える。

資金調達のアドバイスが必要なら、VC全てに耳を傾けるべし。彼らはこの分野の真の専門家だ。市場の方向性やビジネスの拡大に関するアドバイスが欲しいのなら、VCの言うことにじっくりと注意深く耳を澄ます必要がある。彼らにお礼を告げた後は、さらに他のアントレプレナーや同業界の人から3つほど別の意見を聞く。それから意思決定をしたらいい。

アントレプレナー仲間は、ある程度の成功を収めた人はもちろんのこと、市場で完全に失敗した人からであっても、はるかに貴重な手掛かりを提供してくれることだろう。

Facepalm_thumb私は日本語がうまい方だと思うが、流暢だとは全く思っていない。にもかかわらず、人前で日本語のスピーチをする機会があれば、準備する時間をもらえるのであれば、できるだけ受けるようにしている。大概はうまく行くのだが、時には完全崩壊することもある。

例え大失敗したとしても、私は得をすることができるのだ。

昨年、1000人余りの日本人の聴衆を前にPaaSやEngine Yard社について20分間のプレゼンテーションを行うため、招待された。その時私は、これまでにない程に最悪の大失敗に終わった。後方に映し出されたパワーポイント資料のバージョンは間違っているわ、終始リズムを掴めずにシドロモドロになるわ、ジョークも恐ろしいまでの沈黙を招くわで(ジョークの意味は分かってもらえても、ウケず)…

プレゼンの後、私のところに大勢の人がやって来て、「随分と勇気が要ったでしょう。自分が英語でプレゼンしたら、あんなにうまくはいかないですよ。」といったような会話が次々と繰り広げられた。最終的に、今後に繋がりそうな新たな手掛かりや新しい関係をたくさん得ることができた。

日本語でのひどいスピーチのほうが、立派な英語スピーチなんかよりもずっと効果があるというものだ。

Lemonade Standスタートアップ企業はエンタープライズ企業の縮小版ではない。法的な扱い以外にも、あらゆる点で根本的に違う。日本のアントレプレナーたちは(海外同様)、大企業を目指すべきモデルとして見るきらいがある。

やってしまいがちな過ちだ。小さい会社は大きな会社へと成長することを望むだけに、直観的にそれに倣って構造化してしまうようだ。不幸にも、大企業が機能する上で必要となる些細な管理費が小さな会社の首を絞めていく。

私が日本で遭遇した最悪な1例というのが、起業して6ヶ月の社員5人のスタートアップ会社が稟議書を導入した事例だ。起業メンバーの3人の説明によると、稟議書があれば揉め事を避けるのに役立つし、3人全員が確実にすべての決定事項に関われるとのことだった。

その会社は6ヶ月後に廃業となった。

Start Button長年の間にさまざまなポジションの面接で何百もの候補者と面談してきたが、会社側と候補者側の双方が名詞(あるいはいくつかの形容詞が含まれる場合もあるが)ベースで職務についての話し合いをしたがる。雇用側は「販売担当副部長(VP)」、あるいは「5年間の経験があるJava開発者」を求め、履歴書上には律儀にも、これまでの担当や役職が列挙された名詞一覧でその候補者が表されている。

名詞は静的(スタティック)なもので、そこには生命が宿っていない。

決して自分を名詞で定義してはいけない。あなたは「販売部長」ではなく、会社の売上を翌年には2倍できる、と。「熟練したRubyプログラマー」ではなく、開発スピードを早めて欠陥を減らすことができる、と。

名詞ではなく動詞を使おう。あなたが誰なのかはどうでもいいことで、何ができるかが重要なのだ。

Hack Osaka今年のHackOsakaのイベントに出席した際、その休憩中に2人の新進アントレプレナーと現地のスタートアップ事情についての話をした。

大阪のスタートアップにとって最も大きなハードルのひとつは、アントレプレナーたちのコミュニティーが現実(リアル)にないことだと彼らは嘆いていた。大阪には無数のアントレプレナーがいるのに、集まってアイデアを共有したりサポートし合ったりしていないのだという。

自然な流れとして、二人にそのコミュニティー作りを始めてみてはと提案した。何しろ我々が出席しているそのイベントには他のアントレプレナーたちとのつながりを求める人が大勢居り、地域活性化に特化して尽力できる場が用意されているのだから。

「まぁそれが思っている以上に大変で」とそのうちの1人が言った。「…だけど本当に誰か何とかして欲しい。とても価値があることだと思うんです。」

Goooooooooal日本人のリスク回避の説明として、その昔富士通勤務時代の部門長がしてくれた話がこれまでに耳にした中で最も良かったように思う。彼の持論はこうだ:

「アメリカでも日本でもポイント制が昇進の基盤にある。最も多くポイントを稼いだ者が昇進する。但し、アメリカの場合は0(ゼロ)から正解ごとに加点され、日本の場合は0から間違うたびに減点される、という点が違うのだ。」