スタートアップ企業はエンタープライズ企業の縮小版ではない。法的な扱い以外にも、あらゆる点で根本的に違う。日本のアントレプレナーたちは(海外同様)、大企業を目指すべきモデルとして見るきらいがある。
やってしまいがちな過ちだ。小さい会社は大きな会社へと成長することを望むだけに、直観的にそれに倣って構造化してしまうようだ。不幸にも、大企業が機能する上で必要となる些細な管理費が小さな会社の首を絞めていく。
私が日本で遭遇した最悪な1例というのが、起業して6ヶ月の社員5人のスタートアップ会社が稟議書を導入した事例だ。起業メンバーの3人の説明によると、稟議書があれば揉め事を避けるのに役立つし、3人全員が確実にすべての決定事項に関われるとのことだった。
その会社は6ヶ月後に廃業となった。