The Merlion最近、シンガポールに滞在して多くの現地起業家たちと話をする機会を持った。シンガポールには良い点、悪い点の両方で日本やアメリカとは根本的に異なるスタートアップ環境がある。滞在最終日の私のプレゼンの中でシンガポールのスタートアップたちに向けて3つのアドバイスを授けた。市場に違いはあるにせよ、私のその考えを日本の読者にもシェアしたいと思う。

1)地図は領土ではない

シンガポールの起業家たちは新規事業を運営する仕組みについてものすごく精通している。事実、彼らはおしなべて、多くのシリコンバレーの創始者以上にそれをテーマによく研究しているように思えるのだが、一方でその知識を信じ過ぎている。「正しい計画」を実行すれば成功できる、という広く知られた暗黙の考えが存在しているがけれどもそれは全くの偽りだ。正しいことをすることで成功のチャンスは拡がるけれど、正しい計画などは存在しない。どんな計画も間違っている。単に、その計画のどこが間違っているかが正確にわからないだけなのだ。その欠陥をできるだけ早く見つけ、そこにスキルをもってすれば、資金が底を尽く前にその修正法を見出すことができるだろう。

2)顧客に重きを置け

シンガポールでは、資金調達という不健全な点に重きを置いている。話をした創始者の大半が資金調達計画については詳細に語っていたものの、顧客像やそのスタートアップ製品から顧客にもたらされる利益についての明確な説明は、話題の3分の1にも満たなかった。ある人は、有望なアイデアを持っているのだが、今は資金調達のシードラウンドを認知してもらうためのKickstarterキャンペーンを行う初期資本調達に重きを置いている。資金調達は簡単なのだ。顧客にお金を払ってもらえるよう魅了することが難しい。売りに出て行かねば。

 

3)秘密は無用

シンガポールのスタートアップ会社の大半が「ステルスモード(社外秘)」で操業しており、現地のベンチャーキャピタル(VC)数社の話では、売り込む前にNDAへのサインを求められることが多いと言う。当然、そのような要求は丁重かつきっぱりと拒絶される。内密に事を進めるに正当な理由は多々あれど、一般に、ネットワーク作りや紹介、パートナーシップの可能性といった利点の方がサプライズ要素よりもはるかに勝るというものだ。

 

実際のところ、シンガポールのアントレプレナー活動のレベルの高さにとても感心したが、具体的なアドバイスを求められたのでそれをここに紹介しよう。

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