長年の間にさまざまなポジションの面接で何百もの候補者と面談してきたが、会社側と候補者側の双方が名詞(あるいはいくつかの形容詞が含まれる場合もあるが)ベースで職務についての話し合いをしたがる。雇用側は「販売担当副部長(VP)」、あるいは「5年間の経験があるJava開発者」を求め、履歴書上には律儀にも、これまでの担当や役職が列挙された名詞一覧でその候補者が表されている。
名詞は静的(スタティック)なもので、そこには生命が宿っていない。
決して自分を名詞で定義してはいけない。あなたは「販売部長」ではなく、会社の売上を翌年には2倍できる、と。「熟練したRubyプログラマー」ではなく、開発スピードを早めて欠陥を減らすことができる、と。
名詞ではなく動詞を使おう。あなたが誰なのかはどうでもいいことで、何ができるかが重要なのだ。
今年のHackOsakaのイベントに出席した際、その休憩中に2人の新進アントレプレナーと現地のスタートアップ事情についての話をした。
大阪のスタートアップにとって最も大きなハードルのひとつは、アントレプレナーたちのコミュニティーが現実(リアル)にないことだと彼らは嘆いていた。大阪には無数のアントレプレナーがいるのに、集まってアイデアを共有したりサポートし合ったりしていないのだという。
自然な流れとして、二人にそのコミュニティー作りを始めてみてはと提案した。何しろ我々が出席しているそのイベントには他のアントレプレナーたちとのつながりを求める人が大勢居り、地域活性化に特化して尽力できる場が用意されているのだから。
「まぁそれが思っている以上に大変で」とそのうちの1人が言った。「…だけど本当に誰か何とかして欲しい。とても価値があることだと思うんです。」