私がスタートアップへの指導や助言を行っている中で、生徒が思い浮かべる最も一般的なビジネス構想は多対多の市場だ。それが結果的にお勧めサイトになるようなものにしろ、クラウドソーシングを利用したソフトウェア開発にしろ、またはベビーシッターとそれを必要とする親とのマッチングにしても、すべてそのアイデアの構造は同じであり根本的な課題も同じだ。
生徒たちが抱く典型的な会社のイメージは、数千、数十万のアクティブユーザーの登録がすでにあるような成功後の会社だ。当然、自社製品を欲しがる何千もの人々の連絡先情報がすでに入手できることが簡単に想定できれば、こんなにシンプルなビジネスプランはない。
が、当然そうはいかない。
どのような生徒に対しても私からのアドバイスはひとつだ。「明日はどうしていくつもりですか?もし明日誰かがあなたのサイトを訪れてマーケットプレイスに何もないことがわかったら、二度と戻って来てはくれないでしょう。どうやって最初の1000ユーザーを獲得しますか?顧客に提供できるものは何ですか?」
幸いにも、妥当なビジネス構想には必ずと言って良いほど最初のユーザー基盤を作るための戦略が豊富にあり、それがベンチャーの運命を左右する。
第2の大口顧客を獲得することのほうが、最初の100人を獲得するよりずっと容易い。