もしかしたら、その人に対して厳し過ぎたのかもしれない。ひねくれ者になろうとしていたわけではない。SEO業界は大変に厳しく競争が激しいことを熟知しているし、十分かつ倫理的にもうまくやっている人たちには多大な敬意を表する。
この前の東京のネットワーキング・イベントで、私 はある「SEOエキスパート」に捕まり、私の会社のGoogleランキングやサイト・トラフィックをはるかに向上させるためにお役に立てるかもしれないとの提案をいただいた。SEOについては私もかなりの時間を費やして検討している事案につき、その場で自分のラップトップを開いた。
「私の会社はですね…」彼は説明を始めた。
「いえ、結構です。Google検索してみればすぐわかるので。」
「SEO」、「Japanese SEO」、「Tokyo SEO」やその他似たようなバリエーションで検索してみたところ、彼の会社は最初の3ページ以内に挙がってこなかった。そのエキスパートいわく、これは理不尽なテストだと言う。なぜなら、彼の会社よりも上にランクされている会社はどれもSEO対策により多くの資金を費やせる規模のより大きい会社だからだ、と。そして彼はその仕組みとどのように役立てるかについて説明するため、私の会社を訪問させて欲しいと申し出た。
彼の会社が最適化として決めた検索用語は何かと尋ね、言われた通りにその珍しい名称の会社名で検索してみたところ、それもやはり最上位ではなくほぼ最上位にランクされていた。いまひとつの結果と感じ、そう伝えた。そもそも、主要検索語で上位に挙がるSEO会社ほど下位ランクのところより優れているように私は思える。
彼は急に話し合いを止め、しゃくに障るようなことを言わなさそうな、より見込みのある人たちの輪の方に戻っていった。
私は理不尽なことをしたとは思わない。歯の無い歯科医にはかからないし、太ったパーソナルトレーナーのところは利用しないというものだ。Googleの最初のページに自社のサイトが挙がらないSEOコンサルタントを雇わねばならない理由も無いだろう。